自分の好きなデザインで革製品が作れたら最高ですよね。
イメージしたものを作るために必要なのが『型紙』ですが、作るのが難しいと思っている人も多いのではないでしょうか?
型紙は、きちんと理屈が理解できれば作れるようになりますよ。
この記事では「生まれてこのかた1回も型紙を作ったことがない」という人でも理解できるように、型紙の作り方を解説していきます。
・完全初心者でも理解できるように
・丁寧に
・画像付きで解説します!
記事の通りにやったら誰でも簡単に型紙が作れるので、安心してくださいね。
手書きで型紙をかくために必要な手順の全体図
まずは全く初めてという方でも型紙を作れるようになってもらうために、身近にあるものを「サンプル」にして、同じものを作っていく方法を解説していきます。
身近にあるものじゃなくて、ゼロから想像してるものが作りたいという方は、「ゼロから想像してるものを作る方法」まで飛んでもらってもOKです。
全く初めて型紙を書くという方に、簡単で失敗しない方法の手順をこれから紹介していきますが、気になる方だけでも読んでみてください。
いきなり型紙を作る前に、まずは全体の流れをなんとなく把握しておきましょう。
サンプルと同じ型紙を作る手順は以下の通りです。
手順①:「サンプル」のサイズを測る
手順②:方眼紙に書く
たったの2ステップなので、やっていくと思っているよりも簡単にできますよ。
手順①:サンプルの寸法を測る
今回は例としてこちらのカードケースの型紙を作っていきます。
まず初めに、全パーツの寸法を測ります。
このカードケースは『手前・真ん中・後ろ』の3つのパーツでできていますので、全ての長さを測ってメモしておきましょう。
・手前のパーツ→11cm×5.5cm
・真ん中のパーツ→11cm×6.5cm (真ん中の凹み部分は後ほど詳しく説明します)
・後ろのパーツ→11cm×6.5cm
となりました。
手順②:方眼紙に書く
では次に、測ったサイズの通りに方眼紙に書いていきます。
方眼紙は100均で売っているのでも大丈夫ですが、1mm単位で線が書いてあるものにしましょう。
100均の方眼紙はミリ単位で測るとズレていることがよくありますので、精密さを求める方はちゃんとした方眼紙を使うことをおすすめします。
方眼紙に全てのパーツがかけたら、切っていきましょう。
ハサミではギザギザになったり真っ直ぐ切れないことが多いので、定規を当ててカッターで切る方がいいです。
また、カッターを使っても削れないようにステンレス製を使うのがおすすめです。
凹みの部分の作り方
凹んでいる部分は以下の通りに測っていけば作れます。
①:端から凹みの始まりまでのトップラインを測る
②:トップラインから何センチ下がっているかを測る
③:凹みの始まりから下がっているところに繋がるようにカーブを書く
とりあえず半分までイメージを書いたら、半分に折りたたんで目打ちで反対にも貫通させて印をつけておきます。
見えやすいように画像では目打ちを斜めに持っていますが、実際は目打ちを垂直に持って、ずれないようにまっすぐ印を打ってくださいね。
目打ちで印が打てたら、印をペンでなぞります。
少しでも手間を減らしたい方は、半分に折りたたんだままカットしてもOKです。
これでサンプルと同じ型紙ができました!
ゼロから想像してるものを作る方法
では次は、自分でイメージしたものを作る方法です。
手順としては以下の通りです。
手順①:イメージ図を描き、大体のサイズを決める
手順②:方眼紙に書く
手順③:複製してカットする
手順④:組み立てる
手順⑤:修正する
それぞれを詳しく解説していきます。
手順①:イメージ図を描き、大体のサイズを決める
まずはどんなのが作りたいかを決めていくために、絵を描いていきます。
細かいところまで決めてもいいし、型紙を作っていく中で変更していくのもありです。
どのくらいのサイズがいいかも決めておきましょう。
手持ちのもので、近いものがあればサイズの参考にするとわかりやすくておすすめです。
手順②:方眼紙に書く
デザインとサイズが決まったら、方眼紙に全てのパーツを書いていきます。
大体は何度か修正することになるので、とりあえず最初はサクサクとイメージしている寸法と形を方眼紙に書いていきましょう。
縫い代やキレイな曲線の作り方など、具体的な内容については後ほど詳しく解説しています。
手順③:複製してカットする
方眼紙に実際のサイズ通りの線が書けたら、カットしていきます。
できれば型紙を切る前にコピーしておくか、もうワンセット同じ型紙を書いておくのがおすすめです。
理由としては、
・1度折った型紙を使うと寸法が変わる
・修正したい時に、また最初から書くことになる
です。
同じ型紙をもう一つ準備しておけば、修正が楽になるんです。
もし「簡単なものだから確認せずに作らなくて大丈夫!」という場合はそのままでもOKです。
ただ、本番の革を台無しにしないためにも、一度は紙の状態で組み立ててみる方が失敗が少ないですよ。
複雑なものや、こだわりたいものほど修正が必要になります!
手順④:組み立てる
紙の状態で組み立てて、どんな感じに仕上がるのかを確認してみましょう。
作る手順通りに、ホッチキスで縫う場所をとめていきます。ホッチキスが入らない場所はテープでもOKです。
一度組み立てて確認しておけば、本番の革を使って作る時に自信を持って作業を進められますよ。
手順⑤:修正する
組み立てたもので、変えたいところがあれば、先ほど複製しておいた型紙を修正していきます。
最初は完璧を追い求めないで「こんなもんかな〜」という感じで作ってみましょう。
何度も繰り返すうちに、どんなところに気をつければいいのかなど、だんだんわかってくると思います。
型紙で合わないところや気に入らないところは、しっかり修正しておきましょう!
型紙を何度も使う方法
「よし!これでいこう!」という型紙ができたら、方眼紙を厚紙に貼っておくのがおすすめです。
厚紙に貼っておけば何度も使えますし、革に書き写す時もしっかりと押さえられるので正確な作業ができます。
型紙を厚紙に貼る方法は以下の通りです。
①:型紙より少し大きめの厚紙を用意する
②:型紙を厚紙に貼り付ける
③:実際のサイズでカットする
こうすることで、方眼紙と厚紙をキッチリ同じ大きさに切り揃えられますので、ちょっとしたコツとして覚えておいてくださいね。
型紙を貼る時に使う接着剤は、アラビックヤマトなどの水のりを使ってしまうと紙がふやけてサイズが変わってしまいます。
個人的に3Mのスプレーのりを使っていますが、ゴム糊やスティックのりを使っている人もいますよ。
さらに型紙を上手に作るコツ
ここからは、レザークラフトの型紙を作るときのコツをいくつか紹介しておきます。
レザークラフトで縫い代は何ミリ必要?
レザークラフトでの縫い代は大体3~5mmのものが多いです。
あまり縫い代が広くても意味がないですし、逆に端と縫い目が近すぎると糸の引っ張りが響いて、端っこが波打った状態になってしまいます。
そういう意味でも3~5mmくらいが見た目も綺麗で機能的な縫い代になるんじゃないかなと思ってます。
レザークラフトでは革を大きめにカットして縫い合わせてから端を切り揃えることもできるので、慣れてきたら縫い代の幅はデザインで変えてもOKです。
初心者がコバを磨きたい時は縫い代5mmがおすすめ
コバを磨く時はヤスリでコバ面を削っていきます。
削るということは、だんだん減っていくので、最初から縫い代と端っこまでが狭いと、思う存分やすれなくなってしまいます。
なので、初心者のうちだけでいいと思いますが、感覚が慣れるまでは縫い代を広くとっておくのがおすすめです。
ちょっと大きくしておけば、歪みがあってもわからないくらいまでヤスリで削れるし「ん?コバがなかなか光らないぞ?」という時でも思う存分やすれます。
レザークラフトの型紙で曲線をキレイに書くコツと手順
型紙を作る時は、直線以外にも曲線を使うこともたくさんあります。
雲型定規を一つ持っておくと、いろんなカーブを作ることができるので作業がぐっとはかどりますが、なくても大丈夫です。
ちなみに、ペットボトルのキャップやコイン、コップなどのカーブのあるものを使ってもきれいなカーブは書けますので試してみてくださいね。
左右対称のカーブを書きたいときは半分に折って理想のカーブを描き、あとは凹みの部分で説明した手順と同じでOKです。
革の厚みを考慮して型紙を作ろう
あと、地味の注意して欲しいのが「革の厚みも考慮する」ということです。
生地と違って革は厚いものから薄いものまで、さまざまな厚みの種類があります。
特に折り曲げる時などは、内側の寸法と外側の寸法が数ミリ単位で違うこともあるので、使う革でシミュレーションをしながら型紙を書いていきましょう。
『紙で作った型紙』と『本番の革』の厚みの違いが大きいほど、シミュレーションが大切になってきます。
もし可能であれば、練習用に床革か安い革を準備して、サンプルとして作ると失敗しづらいのでおすすめです。
パーツを取り付ける部分は十字にする
パーツをつける場合は、つけたいところに十字に印をつけておきます。
革に書き写す時はこの十字の中心を目打ちでさして、印を書き写しましょう。
パーツをつける部分にパンチ穴をあけてしまうと、どこがパーツの中心なのかがわからなくなってしまいます。
なので、型紙にはパーツの中心とわかる印を入れておき、その印につけたいパーツの中心を合わせることで、正確に取り付けることができます。
レザークラフトの型紙で手書きでの作り方とコツ【誰でも簡単に作れる】まとめ
ということで今回は、レザークラフトの型紙の作り方とコツを紹介しました。
最初は慣れなくて「こんなはずじゃなかった・・」と思うこともあるかもしれませんが、何度も作っていくうちにわかってくることが多いです。
自分の思い通りの型紙が作れるようになったら、イメージしたものが作れるので楽しさが増しますよ!
もしCADも気になるな〜という方は、こちらの記事も参考にしてくださいね▼
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