ハンドメイド販売は、趣味の延長として始める人が多いのではないでしょうか?
趣味の延長とはいえ、作品を販売する以上それは「商売」になり、気をつけなければいけないことがいくつかあります。
中には難しいと感じる内容もあるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお伝えしていくので安心して読み進めてください。
これからハンドメイド販売を始めたい方にはもちろんですが、すでにハンドメイド作家として活動している方にも知っておいて損はない内容になっています。
たくさん説明することがありますが、わかりやすくいきます!
【ハンドメイド販売の注意点4つ】副業でも気をつけよう
本業を目指す方や、副業としてスタートする方など、人によってどのくらい収入を得たいかは違うと思います。
とはいえ、ハンドメイド販売をする上で守るべきルールは本業でも副業でも変わりません。
ハンドメイド販売の注意点を整理してみると、こんな感じとなっています。
注意点①:著作権などの法律を守る必要がある
注意点②:税金を払う必要がある
注意点③:クレームがきたり、トラブルになる場合もある
注意点④:最初は利益が出ないこともある
全て対処方法も一緒にお伝えしていきますので、難しく考えなくてOKです。
それぞれを詳しく解説していきます。
注意点①:著作権などの法律を守る必要がある
ハンドメイド作品を販売するとなった時、著作権や商標権という法律を守る必要があります。
具体的には、
①キャラクターやロゴ
②本のレシピや手芸屋さんでもらったレシピ
あたりが代表的で、著作権のあるものには「商用利用できるもの」と「商用不可なもの」があります。
「商用不可なもの」で作品を作って販売することは違法となるので注意しましょう。
見分け方としては、
・特定のキャラクターやロゴの場合はNGなことが多い
・布の場合、「耳(端)」を確認する
・ネットで検索する
・メーカーに確認する
が目安となっています。
判断がつかず、不安な場合はメーカーに確認しましょう。
確認してみると条件付きで利用可能な場合もありますし。
「他の人もやっているから大丈夫」というのは通用しません!過去には逮捕された事例もありますので、注意しましょう。
とはいえ、法律と聞くと理解できない・・と引いてしまう人も多いかと思いますが、難しく考える必要はありません。
「これどうなんだろう?」と思ったら、商用利用かどうかをチェックする習慣をつけておけばOK。
自分用とか身内へのプレゼントに使うのはOKです!あくまでも販売するのはNGということです。
本のレシピや手芸屋さんのレシピだけでなく、他の作家さんの完全コピーもマナー違反ですのでやめましょう。
ハンドメイド作品を販売ページに載せる写真に写っているものも注意しましょう。
着用イメージを撮りたい時に、雑誌を使ったり誰かに着けてもらって撮影することもあるかと思います。
よほどのことがない限り、罪に問われることはないかと思いますが、気をつけるポイントではあるので頭の片隅に置いておきましょう。
注意点②:税金を払う必要がある
ハンドメイド販売で、一定以上の収入を得たら税金を納める必要があります。
ハンドメイドで収入を得た時も金額によっては「確定申告」が必要になってきます。
具体的には
①1年間の所得が48万円を超える場合
②副業の場合は1年間の所得が20万円を超える場合
となっています。
所得とは、「売上から経費」を引いた金額です。
なので、例えば売上が20万円でも経費に10万円かかっていれば、所得は10万円となります。
ちなみに、私はレザークラフト販売を始めた年に、税務署に確定申告の必要があるかを聞きに行ったら「金額が少なすぎるので必要ありません」と言われて寂しい気持ちになりました・・笑
例えば、専業主婦の場合、ハンドメイド販売で1年間の所得が48万円を超えていれば確定申告が必要になります。
逆に超えていなければ扶養内に収まりますので、確定申告の必要はありません。
1年間で48万円ということは、毎月4万円以上の所得がある場合ということになります。
会社員・パート・アルバイトとして働いていて、副業としてハンドメイド販売をしている場合は、1年間で20万円以上の所得があれば確定申告が必要となってきます。
本業となる会社員やパートでの所得とは別に20万円以上です。
副業としてハンドメイド販売をしていて、毎月約1万7000円以上の所得がある方が対象となります。
開業届も出しておこう
これから先、継続してハンドメイド販売で収入を得ていく方は、開業届を出しておきましょう。
ハンドメイド作家さんの中には開業届を出していない方も多いですが、本来は義務とされていますので一度確認しておくことをおすすめします。
開業届を出すタイミングとしては、「事業の開始日」から1ヶ月以内がルールとなっていますが、これを守らなくても罰則などはありません。
開業届を出すことのメリット・デメリット
開業届を出すことで個人事業主として、「屋号」を名乗ることができて、「屋号」での銀行口座の開設が可能になります。
また、確定申告の時に「青色申告」をすることができるため、控除金額(差し引いてくれる金額)が最大65万円まで受けられるようになります。
屋号での銀行口座が作れたりすることで社会的な見方も変わりますし、「個人事業主になったんだ!」という自分自身への意識も変わりますよ。
開業届を出すことで、旦那さんの扶養から外れる可能性があります。
ハンドメイド販売の金額ではなく、旦那さんの会社規定によって、どのように決められているのかが違うとのこと。
扶養内であれば、健康保険や年金といった社会保険料を支払わなくてよくても、個人事業主として自立している状態とみなされるので、個別に保険料が発生します。
もう一つのデメリットとしては、ハンドメイド販売を副業としてやっている場合、本業を辞めた時に失業手当がもらえなくなる可能性が高いです。
これは、「個人で事業をしているのだから、失業中じゃないよね?」と捉えられるということ。
開業届を出すタイミングはしっかり考えましょう。
旦那さんの扶養に入っている方は、話し合って決めることをおすすめします。
注意点③:クレームがきたり、トラブルになる場合もある
ハンドメイド作品を販売していると、クレームやトラブルになる可能性もあります。
よくあるクレームやトラブルとしては
・未入金キャンセル
・配送中の破損
・無茶なオーダー
・値切り
・作品を真似される
あたりです。
販売側としては、いいお客さんと気持ち良い取引をしたいものですが、悲しいかな中にはそうでもない方も一定数おられるようです・・
トラブルを防ぐ方法と対処法
に関しては説明文を丁寧に書いておき、購入前には必ず読んでもらうように促しましょう。
また、注文が入った時点で「ご注文ありがとうございます」というメッセージにも取引に関する説明文を入れておくのがおすすめです。
特に多いのが未入金キャンセルかと思われますが、「○日以内にご入金確認が取れない場合は自動キャンセルになります」など、明確な内容を記載しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。
フリマアプリなどに出品すると値切り交渉してくる方もいるようですが、個人的に値切りは受け付けなくていいと思っています。
もし値切り交渉を受けるなら、あらかじめ上乗せした値段で出品するのがおすすめです。
ちなみに、作品の真似をされたと感じても、実用品としてみなされるハンドメイド作品は基本的に著作権は発生しません。
嫌な気持ちになるかもしれませんが、スルーするのが一番だと思います。
「真似されるほど魅力のある作品」が作れる自分の才能を信じて頑張りましょう。
お客さんとのトラブルには誠実な対応をしつつ、あまりにもトラブルが多いようだったら自分のやり方を変えましょう。
実際にあったクレーム内容
個人的に大きなトラブルなどになったことはありませんが、一度だけCreemaで販売していたレザーバッグにクレームがきたことがあります。
お客さんの手元に商品が届いた時に「画像には写っていなったゆがみがある」と言われたのですが、個人的には「気にならない程度」かと思って記載しませんでした。
でも、お客さん的には「デザインやサイズはいいのに、そのゆがみがどうしても気になる」とのこと。
何度かメッセージのやり取りをして、最終的にお客さんの要望が「半額返金」だったので、それに従うことにしました。
この件で大切なことを学びましたし、それでよかったと思っています。
これ以降、1回もクレームやトラブルになったことはありません。
やはり大切なことは「事前に全てお伝えしておき、納得したものを購入してもらう」だと思いました。
注意点④:最初は利益が出ないこともある
ハンドメイド販売を継続していくために大切なことは、次の3点だと思っています。
・利益を出す
・売れる作品を考える
・最初は売れない覚悟でいる
それぞれを詳しく説明していきます。
利益計算の方法
ハンドメイド販売を継続するためには、利益を出し続ける必要があります。
利益が出る値段のつけ方を簡単に書くと、
「原価」+「手数料・送料」+「利益」=販売価格
となります。
この、「原価」の中には、材料・材料を買った時の送料や交通費・人件費・梱包材料費など、作品を販売するまでにかかったすべてを足した金額が含まれています。
一般的に、「販売価格は原価の3倍」で利益が出ると言われていますが、現実的にすべての作品に対して3倍の値段が妥当になるとは限りません。
なので、自分の作っている作品の中でも、利益の大きいものやあまり利益の出ないものなど、作品によって利益率を変えてバランスをとるのがおすすめです。
また、利益を出しやすいポイントは次の通りです。
「ハンドメイド作品といえば、一点モノじゃないと価値がないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
でも、一つしかないものって、他に選択肢がないとも言えます。
同じデザインで色違いやサイズ違い、系統違いがある方が、お客さんにとっても選びやすいと思いませんか?
なので、同じ形でパーツや色を変えるなどの「横展開」をして、効率アップを目指しましょう。
ここは、どのくらい効率化できて、どのくらい利益率をよくできるのかというのは、ジャンルによるところもあるので、これから作る作品については利益のことを考えていくといいと思います。
ハンドメイド作家さんの中には、手芸屋さんなどの小売店で材料を調達している方も多いと思います。
小売店自体が利益を出す必要があるので、どうしても値段が高くなっているんですよね。
なので、コストを抑えるためにも、量が入っていて安い仕入れ先で材料調達するようにしましょう。
とはいえ、安い材料を使うとメッキがはがれやすかったり、すぐに壊れてしまうこともありますので、自分でも使ってみて時間経過をみるのがおすすめです。
業務用の卸などを利用する場合は、あらかじめ「どのような作品を何個つくるか」などの計画を立てて、購入しましょう。
売れる作品を作る
ハンドメイド作品を作っても売れなければ継続できません。
では、売れる作品とは何か?というと、「今売れているものを売る」ことが一番手っ取り早いです。
また、minneなどのハンドメイドサイトで、同じジャンルの売れている作家さんと、自分の違いを考えて改善するのもアリです。
この記事の最初の方で「作品の完全コピーはマナー違反」とお伝えしましたが、雰囲気や手法などを参考にするのは、売れる作家への近道でもあります。
売れている作家さんの作品には、お客さんが欲しくなる「理由」が必ずありますので、それをヒントに、自分の作品を改良していきましょう。
さらに詳しい売れるハンドメイド作品の作り方はこちらを参考にしてください▼
>>ハンドメイドが売れない人は【脱 売れない作家】を目指しましょう
最初は売れない覚悟でいる
ハンドメイド販売を始めてすぐ、たくさん売れる人もいますが、そうじゃない人もたくさんいます。
ハンドメイド販売を始めて、すぐに売れる人もいれば売れない人もいます。
なので、ハンドメイド作品を売っているのに、ひとつも売れない・・という人もいるのも現実。
ハンドメイド販売をすぐやめる人が多い理由に「簡単に売れると思ってた」という思い込みがあると思います。
まずやってみて、うまくいかなくても落ち込む必要はありません。
私も最初は売れなかったタイプですが、試行錯誤して自分のやり方を確立して、注文をとっていくことに成功しました。
はじめから難しく考えすぎずに、やりながら試行錯誤していくのが一番大切です。
今回の内容をもっと深く知りたい方は、ハンドメイド販売の本を読んでみましょう。
ハンドメイド販売初心者の方におすすめの「はじめてでもできる! ハンドメイド作家のたのしい売り方」なら、売り上げを伸ばすためのノウハウが詳しく学べます。
※ちなみにこの本は、amazonのKindle unlimitedならいますぐ無料でダウンロードして読めます。
Kindle unlimitedに登録してから30日間は無料で読み放題で、そのあとは月980円なのでかなりのお得感。
不要ならいつでも解約できますし、無料の期間内に解約しても問題ないので情報収集に活用できておすすめです。
気になる方は下のリンクからどうぞ▼
ハンドメイド販売での4つの注意点|始め方を初心者にもわかりやすく解説まとめ
ということで今回はハンドメイド販売の注意点として、
- 著作権などの法律を守る必要がある
- 税金を払う必要がある
- クレームがきたり、トラブルになる場合もある
- 最初は売れないかもしれないけど、継続することが大切
の4つを詳しく解説しました。
趣味の延長だったとしてもちゃんとルールを守って、楽しいハンドメイド販売ができるように心より応援しています。
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