職業用ミシンでレザークラフトを楽しみたい。
でも、
「使う針や糸がわからない」
など、ミシンを使ってうまく革を縫うための設定など、どうすればいいのかわからないことがたくさんあると思います。
そこで今回は、職業用ミシンで革を縫うコツを6つご紹介。
革に合ったミシン針や糸を紹介していますので、職業用ミシンでレザークラフトをしたい人は参考にしてくださいね。
職業用ミシンで革を縫うコツ6つ
今回は知っていて損のない、職業用ミシンに特化した『ミシンで綺麗に革を縫うコツ』を紹介していきます。。
ミシンでのレザークラフトがうまくいってない人や、もっと綺麗に縫えるようになりたい人向けに、革をうまく縫う方法やミシン用品など盛りだくさんで解説しています。
かなり詳しく書いていて長い内容になっているので、ブックマークしておいて「困った時に見にくる」という辞書的な使い方がいいかもしれません(`・∀・´)
針板は厚地用を使う
針板にあいている穴は、厚地用・薄地用によって大きさが違うって知ってました?
厚地用を縫う時は太い針が使えるように大き目の針穴があいています。
革を縫う時にはミシン針は14,16,18号あたりを使うことが多いと思うので、厚地用の針板(約Φ2.2~Φ2.6)を使用しましょう。
針の太さと針板の針穴の大きさが合わないと、目飛びなどのうまく縫えない原因となってしまいます。
また、気づきにくいところでもありますが、鉄板についた傷も目飛びや糸切れなどの原因となることがあります。
職業用ミシンで革がうまく縫えないな~と思う時は、鉄板の針穴周りに傷がついていないか確認してみましょう。
もし傷がついていたら、新しい針板と交換することで綺麗に縫えることもあります。
厚地用の鉄板は数千円で買えるので、何をやっても縫えないという人は交換も検討してもいいかもしれません。
押さえはレザー用もしくはテフロン製
革の表面は思っているよりも滑りが悪く、通常の布を縫うときの押さえではうまく送れないことが多々あります。
スムーズに送れるように、レザー用やテフロン製の滑りの良い押さえに交換しましょう。
もし、押さえを買うほどでもないな~という方は
・押さえの裏側にメンディングテープを貼る
・押さえの裏側にミシン用シリコン剤を塗る
の方法で滑りをよくすることができます。
また、素材を置いた時に下側にある送り歯は、素材をしっかり送れるようにギザギザしていますよね。
このギザギザが時々革の表面に傷をつけることがあるんです。
せっかく縫った革の表面にミシン跡の傷がついた時のショックはデカいです。w
もし革の表面に激しく傷がつくようだったら、ゴム製の送り歯に交換してみると解決できるかもしれません。
ちなみに安上がりにすませたかったら、送り歯のサイズに切ったゴムを強力な両面テープでつけるのもありです。
針の向き・糸通しの順番に気をつける
ミシンの基本的な操作になってしまいますが、うまく縫えない時に確認しておきたいポイントとして一応書いておきますね。
職業用ミシンにつけられる、工業用ミシンの針の向きは
「ミシン正面から見て左側に長細いミゾ・右側に糸を通す穴のえぐり」がくるように固定します。
実際に針を取り付け、糸を通してみると、針の左側の細い縦長の溝に上糸が沿っているのがわかると思います。
工業用ミシン針は、家庭用ミシン針のように固定するところが平らではないので、正確に固定するのは結構難しいと思います。
針の方向が正確にあってるか不安な方は、工業用針の方向をわかりやすく確認できるグッズを使うのがオススメ。
「JUKI 工業用ミシン針 強力方向チェッカー」という商品で、実際につけてみると思ったより角度がズレててびっくりするかもしれません・・
糸調子を試行錯誤する
ミシンでの縫い目の綺麗さに直結するのが、糸調子です。
うまく縫えない原因の上位に来るのが糸調子の調節と言えるほど、コツを掴むまでは難しいところでもあるんですよね。
革の断面の真ん中で上糸と下糸が交差しあって、お互いがちょうどいい強さで引っ張り合って初めてミシン縫いの綺麗な縫い目ができます。
基本的に革を縫う時は手動で糸調子を調節する必要がありますので、自動糸調節機能がついているミシンでも、自分で強さを変えて試し縫いするようにしましょう。
また、革を縫う時に針目のピッチ(縫い目の大きさ)が小さいと、縫い目が切れてとなりの穴同士が繋がってしまいます。
最低でも2.5mm以上にするように設定してくださいね。
基本的に「太い針の時は縫い目を大きく、細い針の時は縫い目を細かくする」と覚えておくと、革以外の縫製にも役立つと思いますよ^^
厚みとかたさの両方に注意
「革を縫う」というと、どうしても厚みを思い浮かべがちですが、実は革の『かたさ』にも注意が必要なんです。
個々の革による違いはもちろんですが、同じ1枚の革であっても裁断された体の場所よって繊維の密度が違うんですよ。
革の厚みが厚い=かたいとは限らなくて、
・薄いのに密度が高くかたい革
・厚いけど密度が低く柔らかい革
など、厚みだけでなく、かたさも踏まえてミシンの設定をする必要があります。
繊維の密度が高くてかたい革は、糸への抵抗が強いため、よりお互いを引っ張る力が必要になります。
例えば、上糸を太めの8番手にして、下糸を30番手というように、上下の糸で太さを変えて糸の引っ張り具合を調節することもできます。
特に、かたい革を縫うときに上下同じ番手の糸を使っていたら、糸の太さを変えて試してみてください。
ミシンなどの条件にもよりますが、経験上は「下糸より上糸の方が太めで強め」がうまくいくと思います。
無理はさせない
もし、どう設定を変えてみても職業用ミシンで革がうまく縫えない場合、もしかしたらミシンのパワーや性能が適応していないのかもしれません。
その場合には無理してミシンで縫おうとせずに、手縫いにするかミシンを変えるなどの方法をとるようにしてくださいね。
「縫えてるからいいだろう」と過信せず、定期的な清掃やオイル差しなどのメンテナンスをしつつ、職業用ミシンの性能の限界を超えないように使うことを心がけましょう。
また、これも基本中の基本ですが、革の厚みやかたさによって「針の太さ・糸の太さや強さを調節したあと」は毎回試し縫いをしてから本番を縫うようにしてください。
いきなり本番の革で縫って針がボキっと折れてしまったら、革や針だけでなく針板や釜に傷がついたり、ズレたりしてしまうかもしれません。
ミシンに負担をかけて縫い続けると、ミシン本体の故障の原因に繋がりますので、無理は禁物です。
職業用ミシンで革を縫うときの針
職業用のミシンには家庭用と工業用の針が使えますが、(全機種かどうかは知りません^^;)
レザーを縫うときのミシン針は、工業用ミシン針で先端がナイフ状になっている「DB」を使用します。
なので、お使いの職業用ミシンが「DB×1」が使用可能どうかを確認してくださいね。
家庭用のミシン針との大きな違いは、針の上の部分。
工業用は針の上4分の1が1周ぐるっと丸いんですよね。
これは、革を縫う時にかかる針への負担を均等に分散するためといわれています。
職業用ミシンにで革を縫う時に使う針の種類は、
・オルガン針「DB×F2」「DB×F17」
・シュメッツの工業用ミシン針
があります。
オルガン針の「DB×F2」は革製品でよく見かける斜めの綺麗なステッチが縫えますし、
「DB×F17」は縫い目がまっすぐに縫えます。
基本的にこのどちらかを使えば間違いないかと思います。
糸の締まりや縫い目が針によって違うので、色々試してみて、自分の好みを見つけてくださいね。
針を購入するときは
・工業用
・レザー用(皮革用)
・太さ
・縫い目の形(先端の形状)
の4つをチェックして購入しましょう。
職業用ミシンで革を縫うときの糸は?
ミシン糸もたくさん種類があるのでどれがいいのかわかりませんよね^^;
布を縫うなら「シャッペスパン」ニットなら「レジロン」が一般的な感じかと思いますが、それに匹敵する革用の糸は「ビニモ」かなと勝手に思っています。
ミシンでのレザークラフトでは、基本的に化繊のビニモを使ってる人が多いイメージです。
私は前職でも使っていたビニモの糸をずっと使っていて、他を使ったことがないのですが。
ビニモは革製品に使われていることが多いし、私の周りのプロの人も皆ビニモなので、とりあえずこちらをおすすめしておきます。
色や太さの種類も十分あるのでどんな革にも対応できると思いますよ。
1本が1,000mとか2,000mとかあるのでまずはサンプル帳(サンプル帳(500円くらい)を購入して、太さや色を決めてから購入することをおすすめします。
ありがたいことにビニモはネット通販で普通に買えるので、見本帳さえあれば遠方まで買いに行く必要がないんですよ(針もそうだけどね)。
ビニモには、手縫い用もあるので間違えないようにミシン用を買ってくださいね。
ちなみにビニモには「ビニモMBT」というのがあり、こちらはボンドが付いていて糸のより戻りがないため扱いやすいと思います。
通常のビニモよりもツヤっとしてハリがありるので強さとしなやかさがあります。
糸通しや縫い終わりの糸がほつれてこないのがいいのですが、色の種類が少ないのが難点かな。
個人的にはビニモでも十分な仕上がりだと思っているので、この辺りはお好みということで色々使ってみてください。
あと、ビニモMBTのより戻りしづらい所のメリットとして、いざというときは手縫いにも使用しやすい点もありますね。
ミシン糸と手縫い糸の大きな違いは、「よりの方向が逆」ですが、糸のよりが戻りにくいミシン糸なら他のよりは手縫い向きといえるかなと思います。
(ただ、糸の締まりに関して完璧を求めるには(?)ですけど)
ちなみに『レザークラフトの糸=ロウ引き』みたいなイメージがあるかもしれませんが、ミシンで使う糸にはロウ引きしないでくださいね。
ロウ引きはあくまでも手縫い糸の場合のみです。
(火であぶりつつ、ロウを溶かしながら縫う用の特殊ミシンなら別ですけど・・)
ミシン糸と針の合わせ方
結構悩みやすいのが、糸と針の太さの合わせ方ですよね。
針と糸の太さはミシンや縫いたいものなどによって違うのですが、一応目安としては
ビニモなどの化繊糸で、20~30番手の糸で針が14~18号で試してみてください。
糸と針の太さに関してはミシンの取り扱い説明書に記載があると思うので、一度確認してみてもいいかもしれません。
すごくざっくりですが、細い糸には細い針で太い糸には太い針と覚えておきましょう。
レザークラフトにも使えるとはいえ、職業用ミシンで使えるのは、一番太い針が18号・一番太い糸が20番手と設定されていることが多いです。
もっと太い糸でステッチを入れたい場合は手縫いと併用するか、8号まで縫えるミシンに買い換えるしかないかなぁと。
2回目になっちゃいますが、無理して革を縫ってミシンを壊すよりも、負担をかけない程度に使っていく方がいいと思いますヾ(。・ω・)ノ
おまけ:独学なら参考書を入手しよう
独学でレザークラフトを勉強したい人にはこの本がおすすめ。
教室に通うとか知人に教えてもらうとかでなければ、全て自分で勉強するのは大変ですよね。
そこでミシンを使ったレザークラフト作品7アイテムが作れる本を参考にするのがおすすめです。
こちらはベビーロックの「極」というミシンを元にしたレザークラフト作品の作り方が載っていますが、どんなミシンを使っても作品の作り方自体は同じなので、ミシン操作だけ自分のミシンに合うようにすれば問題ないと思います。
ミシンを使った革を縫うテクニックがかなり細かく書かれているので、今後の手引きとして持っておいて損はないですよ。
職業用ミシンで革を縫うコツ|針や糸について詳しく解説まとめ
今回は職業用ミシンで革を縫うコツとして次の6つを紹介しました。
ミシンは色々なところに気を使わなければいけませんが、バランスさえ取れれば手縫いよりも早く綺麗に縫うことができます。
特に重要なのが「縫いたい革」に対する針と糸の関係だと思います。
もし使っている職業用ミシンで革を縫うパワーが足りなさそうなら、レザークラフトをメインに縫うミシンの購入も検討してもいいかもしれませんね。
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