レザークラフト作品の幅を広げていく中で欠かせない『革漉き』。
今回は革包丁を使って革を漉く方法とコツを、レザークラフトを始めたての人にもわかりやすく解説していきます。
革包丁で革漉きができるようになりたい。って人は必見です!
この記事を読めば、革包丁で漉くコツがわかりますよ!
革包丁以外で漉きができる道具をまとめた記事もあります▼
>>革漉き機の代用ができる道具6選|ベタ漉きもできる方法をご紹介
革の『漉き』とは?
革漉き(かわすき)は、革の厚みを薄くすることです。
革の裏面(床面・とこめん)を好きな厚さにそぎ取ることで、加工しやすくなるので、より表現の幅を広げることができます。
漉き加工で薄くした革は、何枚も重ねた時の厚みをおさえることができますし、コバを折り返すことも可能になります。
『コバ』は革の端のことで、コバを折り返すことを『へり返し』といいます!
革漉きには次の4種類のやり方があります。
①斜め漉き
⇨元の革の厚みからなだらかに漉く方法。パーツが何枚も重なる時や挟み込む時に使う。
②平漉き(段漉き)
⇨横から見るとL字に厚みを減らす方法。コバのへり返しする時に使う。
③中漉き(中おとし)
⇨端以外の位置を漉く方法。折り曲げをスムーズにしたい時に使う。
④ベタ漉き
⇨革全面を薄くすること。好きな厚みの革に調整できる。
という感じで使い分けます。
やり方は個人差があるので、自分なりにやりやすい方法を身につけていってくださいね!
革を漉く時に必要な道具は、革包丁とガラス板です。
ちなみに私はガラス板を100均のタイルで代用しています
それでは詳しい手順を見ていきましょう。
自己流なので、正しいやり方ではない部分もあるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
※今回、砥石が手元になく切れ味の悪い革包丁で漉いています。漉いた革がモサモサしてますが、もっと切れ味のいい革包丁ならスーっと切れますので、、すみません汗
斜め漉き・平漉き・中漉き・ベタ漉きの具体的な方法
①斜め漉きのやり方とコツ
斜め漉きは、上記の画像のように端に向かってなだらかに薄くなる漉き方です。
具体的な手順は、
- 漉く幅に線を引く
- 線から外側に向かって斜めに革包丁を動かす
- 2を繰り返す
画像を交えて解説していきます。
あらかじめ、漉きたい幅のところに銀ペンや目打ちで線を引いておきましょう。
次に、引いた線に革包丁のしのぎ面(先が斜めの面)を下向きに当てて、
右斜め上に向かってスライドさせます。(左利きの方は左斜め上)
『押す』というより、削ぐ(そぐ)イメージで動かします。
一度スライドさせて最初の部分が漉けたら、革包丁を左側にずらして、また線から右斜め上に向かってスライドさせます。
これを漉きたい幅の長さ分、繰り返していきましょう。
全部漉けたら、包丁の刃を寝かせて均等の厚みにします。
厚みが均等になったら、バリ(端のケバケバ)を切ります。
これで斜め漉きの完成です。
私は体の正面から、革を斜めに置くと漉きやすいです。
この辺りは人によるので、漉きやすい角度を見つけてくださいね。
革包丁を使った斜め漉きのコツをまとめると次の通りです。
・一回で漉けなくてOK
・包丁はしのぎ面ではない方が下でもOK
・一番端をどのくらいの厚みにしたいか?から角度を考えるとわかりやすい
まず、革包丁の切れ味がよくないとキレイに漉くのは難しいです。
切れ味が良ければ角度を固定してスーッとなぞるだけで漉けます。
逆に切れ味が悪いと、刃先が革に食い込んでいかずすべったり変に食い込んだりして、でこぼこになってしまいます。
革包丁のしのぎ面を下にして漉きづらい時は、反対向き(しのぎ面が上)でも大丈夫です。
ちなみに私はどちらでも漉けますが、しのぎ面が上の方が漉きやすいです!
漉く前に「革の一番端をどのくらいの厚みにしたいか」を考えるのがおすすめです。
一番端がどこなのかを決めておくと、そこに向かうための刃の角度がイメージしやすくなると思いますよ。
②平漉き(段漉き)
平漉き(段漉き)は、主にコバのへり返しをしたいときや、何枚か重ねたいけどフラットにしたいときに使える方法です。
画像のように階段の形に漉きます。
財布のポケットを何段か重ねたり、へり返しするときに使うことが多いです。
平漉きの具体的な手順は以下の通りです。
- 漉く幅に線を引く
- 斜め漉きのやり方で一度漉く
- 線の真上から漉きたい厚み分切り込む
- 革と平行に包丁を持ち、3で切り込んだ厚み分切っていく
漉きたい幅に線を引いたら、先ほど説明した斜め漉きの方法でとりあえず漉いておきます。
(斜め漉きをしなくてもできますが、しておいた方が失敗が少なくすむと思います)
一通り斜め漉きをしたら、革包丁を立てて持ち、革に対して垂直に切り込んでいきます。
このとき、切りすぎないように、残したい厚みまで少しずつ確認しながら切り込んでいきましょう。
直角に切り込んだら、今度は革と平行に革包丁を持って、ギザギザと進めましょう。
(この時の包丁、切れ味がかなり悪いです汗)
革漉きに慣れていない時は「垂直→平行」を繰り返して厚みを均等にするのがおすすめです。
慣れたてきたら、先に好みの厚さ分の切り込みを入れて、後から平行方向で切っていくこともできるようになるかもしれません。
コツは、垂直で入れた切れ込みと、平行の切れ込みが交差するポイントを意識することです。
うまく段漉きができれば、へり返しもきれいに仕上がりますよ。
垂直に革包丁を入れる時は、グッと革に押さえつけると切ってしまう可能性が高いです。
『小刻みに動かしながら切り込んでいく』というイメージでやると、失敗しにくいと思いますよ。
少しづつ、どこまで切れたかを確認しながら進めてみてください!
③中漉き(中おとし)
中漉きは、固い革を曲げやすくしたり、折りたたみたいところをクセづけしたい時に使う方法です。
中漉きの具体的な手順は以下の通りとなっています。
- 曲げたいところの中央と漉きたい幅に線を引く
- 漉きたい幅から中央に向かって斜め漉きをする
漉き加工の中で、もっとも難しいと言われているのがこの中漉きです。
まずは曲げたいところの中心と漉きたい幅に線を引いておきます。
両側の漉きたい部分の始まりから、中心線に向かって漉いていきます。
中心なので、両側から攻める感じですね。
様子を見ながら斜め漉きをしていきます。
中心に向かって、徐々に深くなるイメージで包丁を動かすとやりやすいと思います。
斜めにざっくりいきすぎないように注意しましょう。
中漉きをキレイに仕上げるコツをのちほど紹介します!
④ベタ漉き
ベタ漉きは革全体を好みの厚さにする方法ですが、革包丁でやるのはかなり難しいです。
革を買う時に漉いてもらうか、革漉きの業者に頼むのが1番いいです。
とはいえ、買ったお店で漉いてくれないこともありますし、業者といっても「どこに頼めばいいの?」となりますよね。
どうしても家でべた漉きがしたい!という人はこちらの記事を参考にしてください▼
>>革漉き機の代用ができる道具6選|ベタ漉きもできる方法をご紹介
完璧に均等に漉くのは難しいけど、限りなくベタ漉きに近いことができる方法も紹介しています。
革包丁がうまく研げなくて、切れ味がよくない時のコツ
革包丁を研ぐのが苦手で切れ味よく研げないという人もいますよね。
ハイ、私です。
そんな人は、紙やすりを使って漉きましょう。
今回紹介した漉き方を参考に、ある程度革包丁で漉いたら、あとは紙やすりで薄くしていけばOK。
さらに、紙やすりに木片などの固いものを巻いておくと、より表面が平らでキレイに仕上げられますよ。
特に、中漉きは途中まで革包丁でやって、あとは紙やすりにするとうまく漉くけるので、やってみてくださいね。
革漉きで包丁を使うときのコツ|必要な道具や代用品も紹介まとめ
ということで今回は、4種類の革漉きの方法とコツを紹介しました。
慣れないと難しいと感じるかもしれませんが、数をこなせば上達するので楽しみつつ頑張ってみてください。
革包丁を使うときは、先にどうしたいかをイメージしておくと、扱いやすくなると思います。
ベタ漉きができる方法を紹介した記事もどうぞ▼
>>革漉き機の代用ができる道具6選|ベタ漉きもできる方法をご紹介
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