・本革と合皮ってどう違うの?
・本革と合皮の簡単な見分け方は?
・それぞれのメリット・デメリットは?
このように思っている方、多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。
・本革と合皮の違いは『素材』
・見分けるには知識が必要
・本革と合皮のメリット・デメリットを解説
最近では本革に近い合皮が出回っており、プロでも見分けるのが難しいほどです。
ここで紹介する方法は、革の知識がなくても「なんとなくこっちかな?とわかる」ことを目標に解説していきます。
本革と合皮の違いは『素材』です
本革と合皮を比べてみましょう。
※ここでは、確証が持てるものだけを記載しています。
上記の表からわかる通り、そもそも全く違う素材ということですね。
合成皮革を簡単に解説すると、「布にポリウレタンを塗って本革っぽく加工したもの」ということになります。
合成皮革の中でも、より本革に近い人工皮革との違いも知っておきましょう。
・合成皮革→織・編布、不織布の表面にポリウレタンやナイロンなどの合成樹脂を塗布
・人工皮革→特殊な不織布にポリウレタン樹脂を染み込ませ、繊維に絡ませる。さらに表面にポリウレタン樹脂を塗布
どちらも本革に似せて作られた布ですが、人工皮革は特に本革に似ており、表面だけではプロでも見分けるのが難しいほどです。
合成皮革と人工皮革を見分ける2つの方法
・合成皮革→裏側が編み目になっている
・人工皮革→表面に細かい毛穴のような凹凸がある
個人的な意見ですが、見た目が安っぽくビニールっぽい感じであれば、合成皮革の可能性が高いです。
本革と見分けるには『革の知識』が必要です
動物の皮である本革の特徴を知っておくと、合皮との違いを見分けやすくなるでしょう。
ということで、本革の特徴を解説しつつ、以下の見分ける方法4つを紹介していきます。
・①毛穴やシワで確認する
・②触り心地で確認する
・③においで確認する
・④断面を確認する
毛穴やシワを確認する
多くの本革は、牛や馬や豚など、体に毛が生えている動物が使われているので、光に当ててよく見てみると「毛穴」が見えます。
合皮は「毛穴っぽく」表面の凹凸を作っているものがありますが、本革のように穴があいているわけではないので、浅いへこみという感じで見えるでしょう。
※ただし、本革でも表面の仕上げによっては毛穴の見えないものや模様が規則的な場合もあります。
感覚的な表現になってしまいますが、個人的には表面の風合いに深みがあるのが本革で、平面的でペタッとした見た目のものが合皮という印象を受けます。
いろんな角度で光に照らして見てみてください。
触り心地を確認する
こちらは表面の仕上げによっても変わりますが、手触りがビニールっぽいと合皮の可能性が高いかと。
極端にいうと、本革は吸い付くような感触、合皮はビニールの「くっつく」ような感じがします。
特に長時間手に持っているとわかりやすく、本革は汗を吸収するのに対し、合皮は吸収しないので、手に汗がたまることがあります。
とは言え、確認のためにわざわざ長時間持っておくわけにはいきませんが・・
においで確認する
本革は「皮膚→革」にする段階で使われた薬品のにおいや、革製品にするときに使われた接着剤(のり)のにおいがすることがあります。
使っている薬品によって、においは違うのですが「香ばしいような香り」だったり「薬品ぽいにおい」だったりという感じでしょうか。
一方で、合皮は無臭かゴムっぽさを感じることあります。
個体差があるので一概には言えないのですが、目安にしてみてください。
個人的に、合皮は人工的なにおいに感じます。
断面を確認する
本革は切りっぱなしでもほつれてこないので、「イルビゾンテ」のように端が切りっぱなしの商品もあります。
一方で、合皮はもとになっている素材が布なので、端が切りっぱなしの商品はありません。
必ず「コーティング・折り返す・巻きつける」などの端の処理をしています。
これは確実に合皮
新品では区別できなくても、時間が経って劣化するとわかることも。
以下の2点は、合皮でしか起こらないことなので、簡単わかると思います。
・表面がベトベトする
・表面がぺりぺり剥がれる
・表面がポロポロ割れる
合皮の素材であるポリウレタンは樹脂は、空気に触れているだけで少しづつ加水分解していきます。
加水分解が進むと、成分が分解されてしまいますので、素材自体がベトベトしたりボロボロになったりします。
本革は、乾燥しすぎると割れてしまうことはありますが、ベトベトになることはありません。(オイルが多すぎる革で湿気の多い場所での長期保管ならあるかもしれませんが・・)
合皮の表面がポロポロと取れたら、もとの布地が見えると思います。
合皮と本革の見分け方で燃やす方法とは
通常できることではないので、一般的な方法ではありませんが・・
もし、購入した革製品にサンプルの革などがついてきたときに試してみるといいかもしれません。
ライターで合皮と本革を燃やしてみると、確実に見分けることができます。
本革は燃え広がることはなく、ライターの火を当てた部分だけが焦げていき、合皮はみるみるうちに燃えます。
布とビニールのような素材が燃えるのをイメージしてもらうとわかりやすいかと。
ここまでして判別する必要があるかどうかを考えてから、気をつけてやってみてください!
メリット・デメリット比較表
本革と合皮は、どっちが良くてどっちが悪いと一言で言い表すことは難しいです。
それぞれの特徴をわかりやすく表にまとめました。
本革 | 合皮 | |
---|---|---|
見た目 | 表情豊か | 平面的 |
味わい | 経年変化が楽しめる | 変化しない |
重さ | 重いものもある | 軽い |
耐久性 | 高い | 低い |
水分 | 弱い(革による) | 強い |
通気性 | 良い | 悪い |
値段 | 高い | 安い |
手入れ | グッズ・コツが必要 | 簡単 |
本革のメリットは、表情豊かで長く使える上に経年変化があり、使えば使うほど愛着がわくところが大きなポイントと言えるでしょう。
一方、合皮のメリットは、安い・軽い・手入れが楽なので、気兼ねせずに使うことができるところが大きいです。
もう一つ革かどうか見分ける方法として『重さ』もあります。
中には軽い革もあるのですが、基本的に合皮よりも革の方が重いです。
お店で革製品を手に取った時に、重みを感じるかどうかも目安にしてみてくださいね。
本革と合皮の見分け方や違い|メリット・デメリットを解説まとめ
ということで今回は、本革と合皮の違いと見分け方を紹介しました。
具体的には、次の4つで確認してみましょう。
・①毛穴やシワで確認する
・②触り心地で確認する
・③においで確認する
・④断面を確認する
今後の革製品を買う時の目安や、「これどっちかな?」と思っているものの見分けの参考にしてみてください。
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