長年使った革財布が型崩れして、どうにか直せないものかと思っている方は多いのではないでしょうか?
毎日使う革財布は、日常の使い方のクセや革の種類によって、どうしても型崩れしてしまうものです。
そこで本記事では、
・革財布が変形する原因や防止策
・自分で直せない時の革専門店の紹介
を紹介します。
革財布の型崩れを直したいと思っている方は、参考にしてみてください。
人によっていろんなやり方がありますので、そのうちの1つの方法と思ってください!
革財布の型崩れの直し方
型崩れした革財布を直す方法は、大まかにいうと次の通りです。
・全体を濡らす
・温める
・クリームやオイルを塗って形を整える
上記の方法を使って型崩れを直すことができますが、革の種類によって少しやり方が変わります。
本記事では、革財布に使われることの多い「ヌメ革」と「クロム革」に分けて、それぞれの型崩れの直し方の具体的な手順を紹介していきます。
ちなみに自分では直せないほどの型崩れや、自信がない方は革の専門店に頼むのがおすすめです。ひとまずやり方を知って、自分でできるかどうかを判断してみてくださいね。
ヌメ革の型崩れの直し方
まず最初に、ヌメ革の簡単な見分け方を紹介します。
必ず目立たないところでやってみてください。
爪で軽く革の表面を引っ掻いた時にそのまま爪の傷跡がつき、その傷をこすると薄く消えるようなら、ヌメ革の可能性が高いです。
ヌメ革だと判断できたら、このまま読み進めてください。もし傷がつかないようなら「クロム革」かもしれませんのでこちらからどうぞ。
ヌメ革の財布の型崩れは次の手順です。
①ぬるま湯につけたポンジで全体を濡らす
②詰め物をして形を整えて乾かす
③完全に乾く前にデリケートクリームを塗る
④完全に乾くまで形をキープさせて置いておく
具体的に見ていきます。
①ぬるま湯につけたポンジで全体を濡らす
ヌメ革はぬれた状態で形を固定して乾かすと、型崩れを直せます。
革がぬれるとシミになるんじゃないの?と思うかもしれませんが、シミはぬれたところと乾いたところの境目にできます。なので、革全体をまんべんなくぬらせばシミになりません。
ぬるま湯にスポンジをつけて、全体が均等にぬれるように水分を染み込ませます。不安な方はシミになりにくいデリケートクリームで全体をしっとりさせるのがおすすめです。
②詰め物をして形を整えて乾かす
全体をぬらしたら、タオルなどで余計な水分をできるだけ拭き取っておきます。
この時、ゴシゴシこするのではなく、タオルに押すように水分を吸い取っておきましょう。こすると革の目が詰まってしまい、そこだけ光沢が出てしまう可能性があるので注意してください。
おおまかな水分が拭き取れたら理想の形になるように整えます。
伸びた革は縮むように中心へ向かってググッと少し押すと多少マシになる時もありますので試してみてくださいね。(こすりすぎ注意)
乾いた新聞紙やスポンジ、布などをしっかりと詰めて形をキープしたまま乾かしていきます。新聞紙だけだと色移りする可能性があるので、白いコピー用紙を一番外に巻くなど、詰め物を工夫してみてくださいね。
濡れた革を乾かすときはドライヤー・ストーブ・直射日光には当てないように!急激な乾燥は革の劣化・変色・変形の原因となるので、必ず自然乾燥させてください。
③完全に乾く前にデリケートクリームを塗る
8割くらい乾いたら、デリケートクリームを薄く塗っておきましょう。
革は乾燥しながら油分も一緒に抜けてしまうので、完全に乾く前にクリームを塗るのがおすすめです。負担の少ないデリケートクリームなら失敗しづらく使いやすいですよ。
完全に乾いてからクリームを塗る方もいますが、個人的には完全に乾く前に少しクリームを塗って乾燥し過ぎるのを防止する方が安心です。
再度、形を整えておくこともお忘れなくです。
ちなみに、ヌメ革の財布を手入れするならデリケートクリームが1番。革の扱いに慣れていない人でも失敗しないので、安心して使えますよ。
④完全に乾くまで形をキープさせて置いておく
あとは完全に乾くまで数日置いておきます。乾いたときの状態を見て、少しカサつきがあるようだったら再度クリームを塗っておきましょう!
この流れでヌメ革の型崩れを直すことができます。
- 思い切って全体を濡らしましょう。乾いた部分があるとシミの原因になります
- 伸びた部分は縮めつつ、縮んで反ったところは伸ばしてキープさせましょう
- 乾かすときはドライヤーやストーブ、直射日光などを避けましょう
- 乾燥途中で様子を見つつ、形を整えるときれいに仕上げることができます
クロム革の型崩れの直し方
次に、クロム革の見分け方です。
先ほどのヌメ革と違い、クロム革は爪で軽くひっかいても、あまり傷が残りません。強くひっかくと表面が『ガリガリガリ』と小さく削れるように表面が傷つきます。
(確認するときは、軽く革の表面に爪を当てて少しひっかく程度で大丈夫です)
こちらも必ず目立たないところでやってくださいね!
クロム革の場合は、次の手順で型崩れを直しましょう。
②クリームやオイルを塗る
③形を整えて置いておく
革は温めると繊維が柔らかく伸びた状態になり、冷えると固く縮むという性質を持っています。この性質を生かして、温めた状態で形を整えておいて、型崩れを直すという流れになります。
詳しい手順を見ていきましょう。
①ドライヤーで温める
革財布とドライヤーを30cmほど離して持ちます。温風にしたら、革財布でもドライヤーでもどちらでもいいので、クルクルと円を描くように温めていきましょう。
両方を固定した状態だと、1点だけが温まりすぎるので、革が乾燥しすぎて傷んでしまう可能性があります。ドライヤーを使うときは必ず動かして、熱が加わりすぎないようにしてくださいね。
革にドライヤーはダメなんじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、やりすぎなければ問題ありません。
靴を作ったり修理する時に「熱風機」を使ってシワをとったり接着剤を剥がしたりするのに使いますし、ちゃんと保湿すれば大丈夫ですよ。
②クリームやオイルを塗る
ドライヤーで革を温めたら、さらに柔らかくするためにクリームやオイルを塗りましょう。いつも使っているクリームやオイルで大丈夫です。
たくさん塗る必要はないので、うすーく全体に伸ばして塗る程度でOKです。ドライヤーで乾燥している状態ですので、劣化を防ぐためでもあります。
特に理由がなければ乳化性クリームがおすすめです。無色のクリームなら、家にある革製品全般のケアができて便利ですよ。
③形を整えて置いておく
革が冷めないうちに、詰め物をして形を整えます。
伸びているところは伸びの中心部に向かって全方向から押したり、縮んでいるところは揉みほぐして引っ張ったりして良さそうな形にしていきます。
カード部分などの伸びた場所は、詰め物をせずにクリームを塗ったあとでドライヤーを当てつつ、「縮め~」と心の中で唱えながら中心へ向かって押すのもありです。
唱えるとか意味ないでしょって思うかもしれませんが、意外と効果あるんですよ。
ねじれやクセなどもこの時に手でねじったり、指で押したりして理想の形に整えておきます。良さそうな形になったら、その状態をキープさせておくために新聞紙やスポンジを入れて置いておきましょう。
詰め物をするときは、キープさせたい形がはっきりとわかるくらいの厚みに詰めておくのがうまくいくコツです。伸びたら怖いから・・と遠慮しがちに詰めても、なんの意味もないので気をつけましょう。
- 革の乾燥がひどい場合は、ドライヤーを当てる前にクリームやオイルを塗っておきましょう
- ドライヤーは長時間当てないようにしてください。革を触って暖かいな~と感じたらOKです
- ドライヤーを当てるときは、革を濡らさないようにしましょう。急激な乾燥は革を劣化させます
革財布の反りを直す方法は?
蓋をかぶせるタイプの財布の場合、革が反ってくることがあります。その場合も革の種類によって今まで紹介したのと同じようにしてみると直ります。
重しを置いてみたり、軽く引っ張って形を整えてみてください。
革が反ってくるのは「表が縮み、裏が伸びている」という状態が考えられます。ということは、革の乾燥を防ぐために表にクリームを塗って保湿してあげると予防できるともいえるでしょう。
ただ、今まで使ってきて反った革は、同じ条件下だとまた反ってくる可能性があります。反っている原因はそれぞれの革によって違いますが、まずは保湿して革を少し整えて様子を見るのが良いでしょう。
この時は水分が多めのデリケートクリームが良いです。ヌメ革は部分的に塗るとシミになるので注意してくださいね!
革財布を型崩れさせない防止策
型崩れを直すことができても、また同じように使えば、同じ型崩れしてしまいます。
使い方のクセなどがあるので、ある程度は仕方ないと思うしかありませんが、手軽にできる型崩れの防止方法を紹介しておきます。
革財布の型崩れや変形の防止方法は次の3つです。
・ポケットに入れる時に工夫する
・クリームやオイルを塗りすぎない
それぞれを詳しく紹介します。
カードや小銭を入れすぎない
革財布は、購入した時が一番きれいで歪みなどもありませんよね。
ということは、できるだけ購入時に近い状態をキープしておくことで、型崩れを防ぐことができます。
カードポケットにカードを2枚重ねて入れたり、小銭をたくさん入れたりすると型崩れの原因になります。
カードケースや小銭入れをを別で持つか、小銭はこまめに貯金箱へ入れるなどを心がけましょう。
簡単なことですが、これだけでも気をつければ型崩れしない状態で長くきれいに使えますよ。
ポケットに入れる時に工夫する
どうしても便利なので、ついついズボンのポケットに財布を入れてしまう男性は多いと思います。
1番型崩れしない方法は、カバンに入れる習慣をつけることなのですが、ズボンのポケットに入れる習慣がついている人も多いですよね。
そこで、ポケットに入れるとしても、同じ方向や同じ場所ばかりが圧迫されないように意識して変えるのがおすすめ。
- 入れる方向や面を変える
- 左右のポケットに交互に入れる
など、できるだけ順番に出し入れすることで、歪みやクセを分散させることができます。
これを意識するだけでも、ずっと同じようにポケットに入れるよりもはるかに型崩れしにくくなります。
クリームやオイルを塗りすぎない
クリームやオイルは、革を保湿するための成分が含まれています。
適量の油分や水分は革を守ってくれますが、与えすぎてしまうと、柔らかく変形しやすい状態になってしまいます。
オイルドレザーのように、もともとオイルを多く含んでいる革はどうしても革崩れしやすいのですが、それはオイル過多で繊維がふにゃふにゃになっているから。
通常のスムースレザーでも、クリームやオイルを塗りすぎると同じようになるので気をつけましょう。
革の定期的なメンテナンスは大切ですが、週1回や月1回などの頻度でクリームを塗るのはおすすめしません。
決まった日数でメンテナンスをするのではなく、革の状態を見て「そろそろ乾燥してきたかな?」と思ったら、薄くクリームやオイルを塗るだけでOKです。
余分なクリームやオイルが革に残っていると、革の劣化を早める原因にもなります。
あくまでも『乾燥しそうな状態の時に薄く塗る』ようにしましょう。
型崩れが直らないときは革専門店に相談しましょう
革財布の型崩れを治す方法や伸びた革を戻す方法を紹介してきましたが、素人では難しい場合が多いと思います。というのも、一度伸びて形の変わった革は元に戻りにくいからです。
革は皮膚のように繊維が入り組んでいるので、素人では限界があるのです。伸びた革や歪みの強いものは、アイロンを当てることで形を戻すこともできますが、革の知識がないと失敗する可能性が高くおすすめしません。
どうしても革財布の型崩れを直したい場合は、修理屋さんか革専門のクリーニングに相談してみてください。革専門のクリーニングでは洗浄・芯を入れ直して修正・ほつれの直しなど、全体をきれいに再生してくれます。
料金は1万円以上するので決して安い金額ではありませんが、クリーニングから傷や色の補修、ほつれなどメンテナンス全般をやってくれます。
自分でやってうまくいかなかったら、ケチったせいで大切な革財布が使えなくなってしまいますので^^;
クリーニング代は少し高めですが、目に見えない汚れをとって新品に状態に近づけてくれると思うと安いものですよ。家の近くに革専門のクリーニング店がない場合はこちらのお店がおすすめです。
修復事例を見ると丁寧な仕事をしているのがよくわかります。(ちなみに問い合わせの返事も早く丁寧でした)
革財布の型崩れの直し方|手軽にできる変形の防止策を3つご紹介まとめ
ということで今回は、革財布の型崩れの直し方を紹介しました。
具体的な手順は、
- ヌメ革⇨全体を濡らし、クリームを塗って形を整える
- クロム革⇨ドライヤーで熱を加えてクリームを塗って形を整える
となっています。
普段使っている何気ないクセは、歪みや型崩れの元になります。
型崩れし始めると、勝手に元に戻ることはありませんので、ひどくなる前に修理しましょう。
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