革の針穴を消すなんて無理だよね・・
どうにか目立たなくしたいけど、方法ってあるの?
今回はそんな革の針穴や傷について解説していきます。
結論からいうと、「革と穴」によります。
針穴を完全に消すのはおそらくほぼ無理ですが、目立たなくすることは可能です。
ということで、この記事を読めば革の針穴を消せない理由と隠し方がわかります。
革の針穴を消す方法ってあるの?
レザークラフトをやっていると、間違えて縫ったり、ひょんなことから革の表面に傷がついてしまうことがあるんですよね。
私はミシン派なので針穴は小さいものの、何度ミスってずれたところを縫ったか(´・ω・`)
時にはミシン針がピッって革の表面に当たって、小傷ができて何度嗚咽を漏らしたことか・・
何にしても、革にあいた針穴がなくなる魔法のような方法があればいいですよね!
まあ、そんな魔法はないと思いますが・・
革の針穴を完全に消すのが無理な理由
革の内部はいろんな太さの繊維質がランダムに張り巡らされていて、それが層になっています。
簡単に言うと、布のように繊維が整列しているわけではなく、縦横無尽に繊維が絡み合っている状態。
この繊維を菱目打ちやミシン針で切り(穴をあけて)、糸を通して縫っていきます。
布のように繊維の間に針が通るのなら、その位置を指でずらして隙間(針穴)をなくすことができますが、革の場合はどこに刺しても繊維を切ってしまうのです。
繋がった状態の繊維をプチっと切ると離れてしまい、引っ張り合う元の位置に戻ってひっつかない。
これが革の穴をふさげない理由だと思います。
ちなみに布の針穴が消せるのは、繊維の隙間に針穴がある場合のみです。
シャツのような生地でも繊維が切れてしまった場合には、ほつれて穴があきますよね。
それと同じことだと言えるでしょう。
しかも革って厚みのあることが多く、太い針を使うので穴が目立つんですよね!
革の針穴の補修の仕方
(ちなみにこれだけ縫い目と近いと消せない)
革の内部の構造がわかったところで、針穴をどうやって目立たなくするかを紹介していきます。
方法は以下の2つです。
・温めて押す
・塗料で埋める
それぞれを詳しくみていきましょう。
やる時は同じ革のいらない部分で試してみるなど、自己責任でお願いします!
熱を当てて押す方法
革には「温めると柔らかく伸びて、冷ますと縮んで硬くなる」という性質があります。
この性質を生かして、針穴の周りを温めて柔らかくしておき、穴の中心へ向かって周りから革をおすことで穴を小さくできます。
具体的な手順は次の通りです。
- 針穴の近くに向かって20cmほど離した位置からドライヤーをあてる
- 革が温まったら、指の腹で穴の外側から中心へ向かって押す
これを、針穴がわからなくなるまで繰り返します。
「自分で使うだけだし」という方は、表と裏の両方からやるといいかもしれません。
ドライヤーをあてるときは、一点だけを温めずにクルクルと円を描きながら周囲も温めましょう。
革が温まって少し柔らかくなったかな?と感じたら、指の腹で針穴の中心に向かってグッと周りから押します。
爪で傷がつかないように注意してくださいね。
かっさ棒のように、ツルッとした棒を使うとうまくいく時もありますよ。
棒の先に「ゴミがついている」「色移りしそうな汚れがついている」「凹凸がある」ものは避けましょう!
針穴消えてほしさについゴシゴシしたくなりますが、あまり摩擦を起こさずじっくり少しづつ押していくのがコツです。
摩擦を起こしすぎると、そこだけ磨かれたようになってしまい、逆に目立ってしまうことがあるので気をつけましょう。
あくまでも、こすらずに押す感じでやってみてください。
この方法で以前クロム鞣しの薄手の革でやりましたが、ほぼ消えました。
あと、汚れないように針穴に少し接着剤を入れておくと押した革がうまくひっついて、綺麗に隠れることもあります。
爪楊枝で針穴に少し接着剤を入れて、少し時間を置いてから上記の方法をやってみてください。
ちなみに私はミシン針でしかやったことがないのですが、手縫いで使う菱目打ちのような大きな針穴を消すのは無理だと思います。
押しすぎるとそこだけ凹んでしまうので力加減に気をつけてやってみてくださいね!
塗料で埋める方法
靴やバッグのクリーニングに出して、褪せた色が元に戻ったり綺麗なバッグになって返ってくるのありますよね?
あれは、革の表面を塗装して隠しているのですが、アドカラーを使えば、同じように針穴を埋めることができるんです。
アドカラーは、大手シューケア用品のコロンブスが発売している革の補修用絵の具のようなもので、簡単にいうと「塗料」。
ミシンの針穴くらいの大きさなら、革・色・質感が合えば、ほぼわからなくできますよ。
黒以外は単色でバッチリ合うのはなかなか難しいと思いますが、何色か混ぜて調合して使うことで確実に針穴を隠すことができるんです。
少々の傷ならアドカラーを上手に塗ると本当にわからなくなります。
アドカラーを広範囲に塗るときは水で薄めるのが基本ですが、針穴を埋めたいときはこってりさせておきたいので、薄めずにそのまま使ってみてくださいね。
>>アドカラーを詳しくみてみる。
革の針穴を消す方法ってあるの?目立たなくする補修方法を教えます。まとめ
ということで今回は革の針穴を消す方法として、
・温めて押す
・アドカラーを使って穴を埋める
の2つを紹介しました。
針穴が消えないからイチから作り直し・・とかなるとつらすぎますよね^^;
今回紹介した方法で、針穴が消えるか、せめて出来るだけわからなくなることを願ってます!
やってみようかなと思った方は、試してみてくださいね。
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